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●無料査定を標榜して人気が出てきているビジネスモデルとは?

土地や建物を所有している人が将来的にももし売却しなければならない時が来たときに「自分の又は親が所有している不動産の価値はどれほどだろうか?

とはとても気になるところではある。

ただまだ売却する考えもないし、またそういう時期が到来しているわけでもないのに敷居の高い不動産の会社なりに出向いて行って相談するのはとても気が

引けるというのは正直なところでしょう。「ひやかしでもOKですよ」と度量の広い不動産業者さんばかりならばそれでもいいのでしょうが、無料で多くの

時間を割いて調査を行い経費をかけて関係資料を集めたりしなければ本来の「不動産査定」ができないことは長年の不動産取引の実績のある業者であればす

ぐにわかることですので、お遊び半分のひやかし客に対してはまともな対応をしないというのが正直なところでしょう。

まだインターネットがそれほど普及していなかった平成の初め頃には匿名の電話等で土地や建物の価格の査定を依頼する人もよくおられました。土地や建物の

所在場所を聞いても大まかなことしか云われず、査定に必要なことを聞いてもこれまた大まかなことしか云われない方たちでした。弊社もへたな責任を負いた

くもないのできちんとした査定ができないことを申し上げてお断りしていました。

反面、人に自慢できるような高い価値が想像できるような土地や建物でもなく、猫の額ほどの狭小な土地であったり、兎小屋程の小さな築年数の経った古い建物

であったりすれば本当に売却を考えなければならない理由がある方達にとつては相談に行くのも勇気が要るものです。

不動産業を永くやっている私から云えば、そのような方の相談はアナログな時代には地元の金融機関(銀行等は土地や建物に抵当権等を設定して融資しているため

不動産の売却を考え出した方はまずは銀行に話をもちかけるというのが普通)や税理士さん、街の相談役、そして地元の不動産業者に相談をしたりしていたものです。

しかしインターネットの爆発的な普及は、不動産の売買取引の世界にも大きな変化をもたらしてきて不動産の売主、買主間でやり取りされる情報の交錯のプロセスの

主流にもなってしまったというのが現代ではないでしょうか。そういう時代が到来してくれば人々の意識や行動の在り方も当然に変わってくるのが必然! IT社会の

到来といわれる所以です。

個人が持つ資産の中で一番高い値の張るものが土地や建物です。その売れるかもしれない金額が匿名性の高いインターネットを介して電話やメールであれば数時間の

うちにわかり、数日後には査定書類として届く、しかも「無料」でとなれば査定依頼をする方がたくさん出てくるということは当然のことでしょう。

不動産一括査定屋さん」の作ったインターネット上の「査定フォーム」にわかる範囲内のそれこそ大雑把な内容でもいいということで書いて送信ボタンを押して完了!

そしてその内容が「不動産一括査定屋さん」のサイトに登録している不動産業者の方たちに一斉に送信され、その度に「不動産一括査定屋さん」にはチャリンチャリン

と最低1万円〜1万5千円が登録している業者の数だけ入ってくるというスキームになっています。

査定依頼をする方達は何故無料で査定をしてくれるのか疑問に思う方も居られるかもしれませんが、匿名性の高いインターネットの世界のことなのでそこまで疑問に思う

方は少ないのではないかと思います。

「不動産一括査定屋さん」に査定依頼をかける「査定依頼客」からは査定料取らず、「不動産一括査定屋さん」に登録している不動産業者さん1社から1件につき各1万円

〜1万5千円を徴収するというスキームになっています。登録業者が6社あれば1件の査定依頼で瞬時に9万ものお金がチャリンチャリンと入ってくるというおいしい仕掛

けになっているのです。

不動産業者さんは「不動産一括査定屋さん」を通じて、将来土地や建物をひよっとしたら売却するかもしれないという潜在見込み客を紹介してもらう代わりに査定屋さんに

お金を支払うことになります。

ある「不動産一括査定屋さん」のサイトには登録業者の数を制限していない為に、人口の多い地域などでは1520社近い業者が登録していることもあります。売却の意思

については皆無に等しい、査定への動機自体がまつたくのひやかしに近いいつ売却するのかさえ、本人にも何の意識もないような顧客からの査定依頼に対応をしている業者

がいかに多いことか。

続きは●査定価格が高騰化する「一括査定」競争原理とは