◆延納,物納

仮例 バブル経済がはじけてはや10年が経ちますが,地価の下落には一向に歯止めがかからず資産デフレといわれた不動産不況も今や,経済全体に広がりただ調子のいいのはITといわれるパソコン・携帯電話等の情報技術産業だけのようです。

 ところで私の住んでいるここ地方都市熊本においても都会ほどでないにしても、土地の値下がりはいまだに緩やかに進んでおりリストラによる雇用の不安も手伝ってか,住宅の建設も実にまばらになりました。そういう状況の中で、長らく肺気腫を患っていた父が先日、前立腺の腫瘍の悪化も影響し,数ヶ月に亘る闘病生活の末とうとう亡くなってしまいました。亡くなる前の数日間は家族から見ていても実にかわいそうなほど痛みに苦しみつづけ、「安楽死」ということも私の頭によぎったほどでした。

 葬儀から初七日,そして四九日とつつがなく済ませ,気持ちも落ち着いてきたところでやつと相続のことを真剣に家族で話し合えるようになりました。税務署に支払うべき相続税の額も事前に把握していたので,後はお金を納付期限までにどうやって用意するかということでした。一括払いは金額の大きさからしても到底父の残した現金及び不動産の貸付けによる収入では無理だし,銀行から不足する分を借り入れるか,それとも土地で納めてしまうか等など,相続人の間でいつも喧喧諤諤した議論が続いている現状です。 

延納を受けるための要件

@申告により納付することとなる税額が10万円を超えいてること  

A納期限まで又は納付すべき日に金銭で納付することを困難とする事由があること

B担保を提供すること(ただし延納税額が50万円未満で、かつ延納期間が3年以下であれば担保は不要)

C延納しようとする相続税の納期限または納付すべき日までに所定の事項を記載した延納申請書に担保に関する書類を添付提出

物納を受けるための要件

申告による納付税額を延納によっても金銭で納付することに困難な事由がある こと

物納しようとする相続税の納期限または納付すべき日までに金銭で納付することを困難とする事由,物納しようとする税額その他所定の事項を記載した物納申請書を提出すること

 

物納できる財産

国債および地方債,特定登録美術品

不動産および船舶

社債,株式,証券投資信託または貸付投資信託の受益証券

動産

物納が認められない財産

質権その他の担保件の目的となっている財産

係争中の財産

共有財産

法令に関して特別の定めのある財産

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